2020年、激動の年が始まっている。新型コロナの発生、オリンピックの延期、株価の大きな変動。世界が大きく変わっている。
その影響か、転職市場も売り手市場だった環境が変わり始めている。
この変化する時代に私たちは何が必要になってくるのだろうか。
それは「マーケット感覚」である。
もちろん高い技術力などがあれば、良いのであるが、その技術力がどこで必要なのかが分からなければ、その技術は手持ちぶさたになってしまう可能性がある。
それを解消するために、この「マーケット感覚」を養う事によって、この激変する時代を生き抜いていけるだろう。
マーケット感覚とは
ここではまずマーケット感覚について解説する。まず、ここでのマーケット感覚とは以下の事を意味する。
- 商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力
- 顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力
以上の二つがマーケット感覚である。
商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力
ANAを例にとって考えてみよう。あなたは「ANAの競合はどこですか?全て挙げてください。」と聞かれて、何処を思い浮かべるだろうか?
多くの人は、「JAL」やLCCの航空会社を上げ連ねるだろう。
しかし本当にそうだろうか?
お盆、正月を考えてみて欲しい。帰省シーズン。あなたに帰省する予算が少なかった場合、どうやって帰省するだろうか?もしかすると高速バスを使うかもしれない、フェリーも使うかもしれない。
そうすると、ANAの飛行機を使わなくなる。そしたらANAの競合はバスやフェリー会社になる。
このような、リアルな状況を思考できる能力が、マーケット感覚の一つである。
顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力
では、同じ問題を別のアプローチで考えてみよう。
とある世界的に支社をもつ会社の社長が、会社方針などを話し合うために全世界の支社の幹部を集めなければならない状態になったとしよう。それも、少ない期間で決定しなければならない場合、どうするか。
この時社長は、上記のコストを抑えるために、オンライン会議ツールを用いて、同時刻で会議を行おうと考えるだろう。そうすると、本来ANAを使い本社まで来なければならなかった人たちが、ANAを使わずに目的が達成する事ができる。
そうすると、オンライン会議ツールもANAの競合と言える。
このように、顧客が使用する場面などを、直感的に思い浮かべる能力も、マーケット感覚の一つである。
マーケット感覚で世界の見え方が変わり、成功する
マーケット感覚を身に付けると、世界の見方が変わる。
そして、その見方を変える事によりアプローチが変わり、成功を掴みやすくなる。
どの様に見方が変わるか、具体例を使ってお伝えしよう。
これからは本当に英語の時代か?
最近では、社内公用語が英語の会社であったり、社長が外国人だったり、街中で外国人が増えたりなど、何かと英語を使う機会が増えてきている。そのため、これからは英語が必要だ!必須スキルだ!といって、子供をインターナショナルスクールに通わせる親もいる。
しかし、本当に私たちにとって英語は必須スキルなのか?
20年前の外資系は、英語さえできれば稼ぎやすい環境だった。しかし、現在では日本の職員を雇うと高くついてしまうため、コールセンターやサービスセンターと言った、比較的英語だけ出来れば良い部門は、人件費が安い、フィリピン人やインド人を雇う様になった。
しかし、ここでマーケット感覚を身につけていたらどうだろうか?英語以外の能力が必要だろう、そのためにどんなスキルを身につけないといけないのか?その様に考えるだろう。
その様な思考により、英語しかしてこなかった、英語しか必要ないと考えていた人たちよりも一歩先をいく思考ができるのだ。
成功の鍵は市場の選択
以前、テレビ番組で20代の男性が出会いが欲しく、結婚情報サービスサイトに登録し、女性とお付き合いをしたいと考えいた。その男性は好青年(いわゆるイケメン)で、顔立ちも良く、コミュニケーション能力があった。しかし、低学歴で収入もそこまでなかった。そのせいなのか、デートを申し込んでも女性から承諾がもらえず、それが200人にも及んだという。
もし、ここでマーケット感覚が養っていれば、この男性はすぐにでも女性と付き合う事ができる。
基本的にこの男性は、結婚情報サービスサイトを使うのが誤りである。つまり、市場選びを誤っていたのだ。
結婚情報サービスサイトを使う女性は、ステータスで判断し、デートを承諾したりする。そして20代の女性なら尚更、若いうちに登録しておけば、良い条件で結婚できるのでは?とも考える。そうすると、火を見るより明らかだ。この男性は女性の検索結果に引っかからない。
そうしたらどうすれば良かったのか。
この男性は、その様なマーケットで売り出すのではなく、合コンや同窓会といったステータスでフィルタリングされないところで力を発揮すべきだったのだ。合コンや同窓会なら、コミュニケーション能力や顔立ちのおかげで、すぐにでも関係を築く事ができるからだ。
このように、少し市場を変えるだけで、自分の価値が上がったり、下がったりする。これを出来るだけ自分の価値を上げる市場にい続けるために、マーケット感覚が必要なのである。
最後に
簡単にマーケット感覚について、具体例を含め簡単に説明してきた。詳しい内容は、ちきりん著「マーケット感覚を身につけよう」を読んでみて欲しい。少なくとも、私はこの感覚を持っていなかったため、必要な考え方だと思った。
あなたもマーケット感覚を身につけ、これからの時代を生き抜いて欲しい。

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
- 作者:ちきりん
- 発売日: 2015/02/23
- メディア: Kindle版